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それぞれの現場の課題から生まれた遠隔監視システムシステムの開発において、乗り越えなければならなかったこと54     技能伝承支援カメラ映像から、ハンマーの動きをリアルタイムで解析。職人の技能を打撃エネルギーとして見える化できる。特徴1特徴3     生産性向上支援 設備稼働分析AirGRID®WD連携により、手書き日報など使用せず「運転中」「段取り」「停止」「休止」などの設備稼働データを自動収集し、クラウド上で稼働分析が可能になる。特徴2稼働率分析のステータス履歴表示画面センサデータとカメラ映像を同期した分析(特許第6439034号)各種センサデータの時系列分析職人による打撃タイミングはほぼ一致稼働率分析のガントチャート表示画面稼働率分析の日別累計表示画面稼働率分析の月間累計表示画面     遠隔保守サービスPLCや各種センサを接続したデータロガーからの情報をローカルのデータベースに収集。設備や機械の稼働状況の可視化や分析に必要なデータを抽出してクラウド上に保存し、Webから情報を確認・分析できるようにする。結果、迅速なサポートやトラブル対応低コストかつスピーディな構築を実現するため、できる限り汎用的な技術やサービスを利用し開発期間とコストを大幅に削減できました。また、できるだけ多くのセンサからデータを収集し、ビッグデータを解析すれば分析結果の精度は向上するのですが、データ容量が増えれば大容量のストレージやデータベースが必要となり、クラウドやネットワークへの負荷も増大してしまいます。実際、すべてのセンサデータを合わせると工場全体では1PB'(ペタバイト)を超えるデータを処理しなければならなくなるので、エッジ(ローカル)、フォグ、クラウド、それぞれの環境において必要なサイズでデータを保存するとともに、蓄積するタイミングの最適化を図る必要がありました。そして、鍛造機械ならではの苦労としては、機械に直接センサを設置すると打撃振動で壊れてしまうため、カメラの映像から画像解析によって打撃の位置やタイミングを分析するという発想の転換が必要でした。結果的には、設置がしやすい仕組みを実現することができました。今回開発した遠隔監視システムは、メーカー企業(大谷機械製作所)からはすべての鍛造機械導入先企業の把握が可能で、システム内からパーツの交換時期等の情報発信が可能でメンテナンスに役立ち、導入先企業(大智鍛造所)側ではAI学習用途等の詳細データはローカルデータベースに保存するため機密情報は安全に自社内で保持しながらの活用が可能で、稼働状況等、外部からの確認が必要な可視化情報はWeb上から迅速に確認できる仕組みになっています。また、今後導入が可能となり保守コストの削減、設備の稼働積算時間などを把握・管理することで、消耗部品などが限界を超える前に交換やメンテナンスを提案するなど、高度な予防保全サービスの提供も可能に。23

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