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創業70余年のハンマー鍛造機で国内シェア9割のパイオニア企業です。鍛造機の製造メーカーとして、設計から加工・組立、品質検査まで、自社一貫体制で手がけることで、マシントラブルがほとんど発生しない「壊れない鍛造機械」として高く評価されています。大谷機械製作所についてご紹介ください。エアスタンプハンマーによる熱間型打鍛造を得意とし、主に自動車部品を生産しています。熟練工の技、すなわち「技能」を伝承し、より高い品質で生産性を高めるための金型設計や機械の保全などの「技術」の向上と融合を図ることが、意味のある発展だと考えており、創業75年を迎えました。大智鍛造所についてご紹介ください。創業以来、住宅・建築業界と葬祭業界に特化したアプリ開発と、生産/設計支援CADソフト製品を中心に企業向けソフトウェアの開発・提供をおこなっており、最近では、IoT・人工知能(AI)関連のソリューションの開発に注力しています。お客様と共に学び、各業界のノウハウを活かした「誰でも簡単に使える」ソフトウェアを目指して、商品開発とサービスの提供に取り組んでいます。SHFについてご紹介ください。1設備メーカーとして、遠隔監視システムの開発依頼をどのように捉えたのでしょうか。鍛造設備メーカーである大谷機械製作所における課題3大谷機械製作所、大智鍛造所、SHFの事業概要大谷機械製作所はアフターサービス体制も充実を図っており、何かあればお客様の現場にすぐに駆けつけ、対応できるチームづくりに取り組んでいます。しかし、トラブルが発生する背景にはさまざまな要因が複雑に絡み合っており、本質的な問題点を特定するのは容易なことではありません。そのため、トラブルの発生後にはお客様の現場にロガーを持ち込み、一定期間データを蓄積し、データを持ち帰って分析せざるを得ませんでした。 遠隔監視で設備の各種センサデータを収集・分析できるようになれば、海外など遠隔地で稼働している機械に対してもリアルタイムで稼働状況を把握できるようになります。その結果、迅速なサポートやトラブル対応が可能となり保守コストの削減も期待できます。 また、設備の稼働積算時間などを把握・管理することで、消耗部品などが限界を超える前に交換やメンテナンスを提案するなど、高度な予防保全サービスの提供も可能となるでしょう。加えて、各種センサデータや設備の稼働データを蓄積・分析・可視化することで、職人技の円滑な伝承や職人育成期間の短縮、作業の自動化による作業負荷の軽減や生産性の向上などを実現し、お客様の満足度と製品価値の向上を実現できると考えました。株式会社大谷機械製作所 製造部 メカニカル設計課 課長赤井 寛和 氏遠隔監視システムを起案した背景を教えてください。株式会社大智鍛造所代表取締役社長 大智 靖志 氏大智鍛造所で稼働する大谷機械製作所製の鍛造設備2遠隔監視システムを起案した大智鍛造所における課題自動車業界などの好調を背景に鍛造品の需要は順調に推移していますが、慢性的な若手の人材不足とあいまって、技術継承が進んでいないことが課題となっています。特に鍛造の場合は、高温に熱した金属を叩いて力を加えるため、同じ製品を成形する場合でも叩くタイミングや回数、強度などを微妙にコントロールしなければなりません。そのため、製品を叩けるようになるまでに最低でも3年はかかり、熟練工の技術や技能を継承していくのは容易なことではありません。また、納期の短縮化や労働時間の適正化などを推し進めるため、これまで以上に生産性向上を実現しなければならないという課題にも直面しています。しかし、これまでは鍛造機械の正確な稼働状況ですら把握できていないのが現状でした。従来の取り組みの延長ではこれらの課題を解決するのは難しく、時代に合わせた新しい方法で問題解決を試みようと考え、大谷機械製作所に依頼をして遠隔監視システムを開発してもらうことになりました。22IoT活用のシナリオお客様の声基本 ソリューションアドオン ソリューション導入ステップ・技術資料

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