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「日立建機グループ全体で、省エネに取り組んでいます」(庄司氏)日立建機グループは、地球温暖化の防止に貢献するため、事業活動にともなうエネルギー由来のCO₂排出量の削減を推進しています。生産の現場に関しても、ピーク電力の削減と使用量の削減を目的にした省エネプロジェクトをつくり活動を推進する中で、工作機械やモータなどのインバータ化や最適稼働などについて継続的な改善実施を行ってきました。待機電力の可視化も、そのような活動の一環という側面もあります。一方、待機電力をより緻密に把握することで、これまで対応が難しかった生産性のさらなる向上を実現していきたいという考えが根本にあったことも間違いありません。そのような状況下、当初はPLCを使ったシステムを導入することで待機電力の可視化を実現しようと考えていました。仮定の話ではありますが、AirGRID®のことを知らなければ、そのままPLCを導入していたと思います。     を導入した経緯を教えてください。グループで取り組む電力削減プロジェクトの一環としてPLCの導入も検討4     の導入効果について教えてください。省エネとエネルギー生産性向上への取り組み3今まで見えなかった待機電力が可視化されたことにより、これまでは対応が難しかった工作機械の省エネとエネルギー生産性向上の取り組みを進められたこと。さらには、現場の意識改革やコミュニケーションの活性化がなされたされたことなども効果とだと捉えています。詳細は、次の通りです。「可視化は最初の一歩。どのように活用していくかが重要です」(水町氏)     システムの導入コストと期間を削減従来検討していたPLCと比べて、マクロ的な待機電力を捉えることが優先と考えた当社にとって簡易的に導入できました。     設備待機状態の可視化消費電力と工作機械の稼働状況を時系列で把握できるようになり、これまで見えなかった待機状態の可視化が実現できたことで、新たな視点で省エネ対策と生産性向上の取り組みが活性化しています。     自律的 PDCAサイクルを目指す日次、週次、月次と定期的に情報を発信・共有することで、改善の成果や結果も把握しやすくなり、「課題の把握⇒改善策の実施⇒結果確認⇒さらなる課題の抽出」というようにエネルギー生産性を可視化し自律的に改善のサイクルをまわすことがシステム導入のねらいであり、待機電力の表化はその第一ステップです。これから、さらにどのように応用していくのかが重要だと考えています。     意識改革とコミュニケーション活性化定期的に情報が届き、課題の抽出や改善結果の検証も客観的なデータで見えるようになったことで、省エネと生産性向上に対する現場の意識がレベルアップしています。また、現場内はもちろん、経営者層を含めた利害関係者間においても自然と関心度が高まり、改善策を議論したり、報告したりする際のコミュニケーション活性化や共通理解の深まるといった効果も見られます。効果1効果2効果3効果4待機電力自動検出の考え方電力(kW)稼動状態パトライト情報ONOFF閾値19

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