ガントチャートによる可視化例(非稼働時間を可視化)ガントチャートによる可視化例(サイクルタイムを可視化)私たちが検討を開始した時は、AirGRID®のことを知りませんでした。そのため、PLC(Programmable Logic Controller)を用いたシステムなど、他のツールや手法の導入を検討しました。また、具体的な検討にはいたりませんでしたが、パトライト表示灯の表示を光センサで感知してデータを取得するといったアイデアも出ており、そのような時に、ちょうどAirGRID®の案内がパトライト社から来たので、すぐに導入の検討を開始しました。日々、生産能力や設備稼働率の向上に取り組む中、2011年頃から設備のチョコ停や故障による停止時間といったムダを排除するための議論が交わされる機会が増えていきました。しかし、当時は停止時間はもとより、正確かつリアルタイムに稼働時間や稼働率を把握するための環境が整っておらず、当たり前の話ですが、正確な稼働状況を把握していないまま改善策を実施しても、大きな成果を上げることはできませんでした。そのため、加工設備ごとの正確な稼働時間および停止時間を収集して、可視化・分析するためのツールの導入を検討することにしました。「正確かつリアルタイムに稼働データを取得できるツールを探していました」(國居氏) 変化点管理稼働状況を可視化したデータは、工場内の不具合調査にも活用しています。たとえば、日報などで工場内不具合の発生情報から、パトライト表示灯の点灯状態を確認・分析することで、不具合の発生時間を特定し、以降の加工品を不具合対象品とするといった対応を取っています。 設備の信頼性評価(年次)設備稼働時間と故障回数などの傾向分析から、信頼性の尺度となる固有アベイラビリティと稼働時間を算出して、設備更新計画の指標として活用しています。 生産能力向上のための分析設備稼働状況を可視化(ガントチャートなど)して改善点を抽出し、加工設備・ラインのムダ取りに取り組んでいます。各工程における加工条件やロボットでのマテハン動作などを見直し、加工時間や平均動作時間の削減を実現しています。具体的な例は次の通りです。■生産能力向上の実績例●ギヤ加工におけるホブ加工条件を見直し、 加工時間を約20%削減●ギヤ加工におけるシェービング加工条件を見直し、 加工時間を約16%削減●ギヤ加工スルーラインの平均サイクルタイムを 約30%改善●加工設備の非稼働時間を可視化し、 時差勤務対応などの検討により生産能力を向上利用例2利用例4利用例3夜 勤夜勤日 勤変更点管理に用いるガントチャート例①日報等に工程内不具合の発生日を特定以後の加工品を不具合対象品とするこの時間帯に座標調整した可能性が高い②パトライトの点灯状態を確認し時間帯を特定残業+早出対応非稼働時間の共有化時差勤務等を検討 を導入した経緯を教えてください。 以外にも、導入を検討したツールなどはありましたか。チョコ停や故障によるムダ取りを進めるため、稼働データ収集ツールの導入を検討415
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